トランス脂肪酸とは、常温では液体になっている植物油を、人工的に水素を加え加工して固形を保つようにしてできた油です。
(自然界には存在しない油です)
体内のメカニズムは、肝臓で「栄養の吸収」や「解毒」が行われ、全身の細胞に送られます。
消化管から吸収したものをまず肝臓に送ることで、仮に毒が含まれていたとしても全身へ送ることを防いでいます。
ところが胃腸で消化吸収された栄養素が全て肝臓に送られるわけではありません。
身体にとって脂質は安全と認識されているため肝臓を通らないのです。
脂質のほとんどは、小腸から吸収され、肝臓を通らずそのままリンパ管に送られます。
リンパ管は血液以外の体液を循環させる循環網で、血管と同じように全身に張り巡らされています。
このように脂質は肝臓を通りません。
セキュリティチェック無しで全身に回ることになります。
身体にとってトランス脂肪酸の存在は想定外なので、体内のメカニズムでは解毒できません。
そのまま脂肪として体内に残ることになりますので、日ごろからトランス脂肪酸を摂取しないのが一番の対処法となります。
各食材に含まれるトランス脂肪酸の量については一覧表をご覧ください。
印刷版はこちら ⇒ トランス脂肪酸含有量
日ごろからトランス脂肪酸を摂取しないことが一番の方法ですが、摂ってしまったトランス脂肪酸はどうしたらいいのでしょうか?
その前に、体のしくみのお話しです。
脂肪はエネルギー源として使われます。運動などで体温が上昇し、血糖値が下がると脂肪細胞からエネルギーを取り出して血糖値を安定させようとするホルモンであるグルカゴンが分泌されます。
このグルカゴンから指令を受け、脂肪分解酵素であるリパーゼによって体脂肪が脂肪酸とグリセリンに分解され、血液中に溶け出して、筋肉に運ばれて運動エネルギーとして消費されます。
このしくみを一般的に脂肪が燃焼されると表現しています。
トランス脂肪酸とは油(脂肪)です。
解毒できないのであれば燃焼させればいいのです。
トランス脂肪酸は身近にたくさんあります。
ファーストフードの油や、天ぷらのチェーン店、とんかつのチェーン店など料金の安いお店で使われています。
某ファーストフードのフライドポテトにカビが生えないのは有名な話です。
じゃあ、そんな危険なものは使わない方がいいのにと思うかもしれませんが、普通の油よりも安く、防腐剤を兼ねるので企業としては使わざるを得ないのです。
だって、安くないと売れないから。
つまり、あなたや私にも責任があるのです
安くておいしいものを求めるので、企業も利益をあげたいから、原価を抑えられてサクサク感や旨みが得られるトランス脂肪酸を使うのです。
知っているのと知らないのでは結果が全然違ってきます。
危険を察知するのも自分、病気にならないように注意するのも自分次第です。
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